スタジオジブリレイアウト展のちょっとした感想 in 福井
福井県立美術館 Fukui Fine Arts Museum
今年一つ目の展示はスタジオジブリレイアウト展! 地元でやっていたので行ってきましたー。北陸では初らしいですね。 非常に濃密な内容で大満足でした。 ぜひ地元の方は行って欲しいなと思い、少し感想を。 これに行った後はジブリ作品をさらに楽しむことができると思います。
そもそもレイアウト展って?
レイアウトはそれを通して各スタッフ(監督、アニメーター、背景画家、カメラマン等)がシーンのイメージを共有するという重要なものです。 宮崎監督が自身のイメージを共有して思った通りのシーンに仕上げるために、制作工程に組み込んだのが始まりだそうです(日本では)。 そもそもアニメーションは一つのシーンを作成するのも分業なので(背景を描く人、キャラを描く人、撮る人)、その中でシーンのイメージの共有がないと思った通りの作品に仕上がりません。
例えば、
- 背景は固定なのか、動くのか
- キャラはどう動くのか
- カメラはキャラクターを追うのか、引くのか
- それらの速さはどれくらいなのか
- シーンの尺はどれくらいなのか
などのイメージが共有できていなければそれらは各々の裁量ということになり、チグハグなシーンができてしまうかと思います。 つまり、レイアウトを見ることで誰が見てもこのシーンはこう動くんだ!とイメージすることができます。 そんなアニメーションにおいて非常に重要なレイアウトが展示されているのがこのレイアウト展になっています。
実際レイアウトの仕組み覚えて見てみると、このシーンの背景はこれくらいの速さで動いて、カメラはキャラを追う・引くとかが読み取れるのでシーンを思い浮かべることができ、現場にいるみたいで楽しかったです。
見所
レイアウトの数は1400点ほど
スタジオジブリとありますが、スタジオジブリでないものもあります。(風の谷のナウシカはトップクラフトですね)
作品が多いので、好きな作品だけ見て行くというのもありかもしれませんね。音声ガイド
こちらはオススメしたいです。なかなか作品を見るだけではわからない部分も解説が入るのでなるほど〜と思いながら鑑賞することができます。60分という大ボリュームです。せっかくの機会ですし是非!見所解説会
土曜日限定らしいですが、レイアウトの解説を行ってくれます。非常にわかりやすく楽しめました。ガイドももらえたので得した気分。
展示会は途中退出、途中入場できるので休憩がてら聞きに行ってもいいかもですね。体験コーナー、限定グッズ
トトロのお腹に乗っているように見える写真をとったり、ポニョと写真をとったりできます。 グッズ販売も多数ありました。
レイアウト展用語集
レイアウト展が始まると最初に、レイアウトに実際に書き込まれている用語の説明があるのですが、これ覚えて行くの結構大変です。 でも知っていた方が楽しめます。ガイドに書いといてくれると助かるのですが笑 ということで覚えている範囲内、ガイドに載っているものから少し紹介したいと思います。
- BG
バックグラウンド、つまり背景。通常、キャラクターは「セル」と呼ばれる透明なシートに描かれ、その後ろに背景画(BG)を重ねる。 - BOOK
画面の手前にくる背景画。 - クミ
セル画で描かれたキャラクターと背景画が重なる場合に、その境界線を示した線のこと。この線を基準に作画して行く。 - カゲダブラシ(Wラシ)
透き通って見えるように表現するために、二重に露出を行う撮影方法。例えば、影で周囲より暗くなったような表現をしたいときに使用。 - スーパー
明るく光ったような効果をだす撮影方法。 - フレーム
実際に画面に映る範囲のこと。カメラの動きを伝える場合は、「スタートフレーム」と「ラストフレーム」がある。 - PAN
カメラの位置は固定したまま、レンズを上下、左右に振って撮影すること。 - Follow
キャラクターの動きなどをカメラで追うこと。例えば放った矢に対して、1K(コマ)7ミリとある場合は、1秒間に168ミリで追う。1秒間のコマ数は24なので、7x24=168ミリということ。
おわりに
今回レイアウトについて知ることでさらにジブリを楽しんで観られるんじゃないかなと思っています。やはり作品についてより深く知ることで、作品は無限に楽しめるものなのではないかなと思います。
僕がアニメーションが好きなのは、シーンに写っているものすべてに人の意思が存在していると思えるからです。人物にしたって背景にしたって、隅っこに転がっている石ころでさえも何か意図があって書いたに違いないと思えます。ジブリ作品はそれが顕著なんじゃないかなと僕は思います。というか今回の展示会で確信しました笑 やっぱジブリすげぇなと。
なかなかこういう機会もないので近くに住んでる方是非行きましょう!