ミュシャ展はいいぞ。
正直ミュシャ?って感じだったんですが広告とかの絵を見るとなんだか見たことあるような、それにこれ好きなやつやと思ったので行きました。ということで今回はミュシャについて書いてみようと思います。
ミュシャって?
アルフォンス・マリア・ミュシャはアール・ヌーヴォーを代表するグラフィックデザイナーです。
アールヌーヴォーっていうのは19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に開花した国際的な美術運動のことで「新しい芸術」を意味するようです。花や植物などの有機的なモチーフや自由曲線の組み合わせによる従来の様式に囚われない装飾性や、鉄やガラスといった当時の新素材の利用などが特徴です。(wikipediaより)
まあ要はその時の流行りの芸術ですね。
何で成功した人?
アールヌーヴォー時代にめちゃくちゃ注目されたデザイナーですが、デザイナー学校落ちたり、絵描きの支援をいきなり打ち切られたりとなかなかうまくいかない人生を歩んでいたようです。
そんなミュシャにも転機が訪れました。それが当時のフランスの舞台女優であったサラベルナールに舞台の広告の依頼を受けたことです。このサラベルナール、超有名な女優で、「黄金の声」やら、「聖なるサラ」、「劇場の女帝」の異名を持ち、国際的にも活躍し、世界初の国際スタートも呼ばれていました。
そんなサラに広告をえらく気に入られ、以後6年間にわたり依頼を受けました。そこで一気にミュシャは名声を手に入れました。その出世作がこちら、ジスモンダ。
美しいですね。これは惚れます。これ実物は2~3mあるんで細部まで見れて本当惚れ惚れします。
実はサラベルナールは元々違う画家にこれを依頼していたのですが、その画家が休暇でパリにおらず、急遽依頼がミュシャに舞い込んだみたいです。運良くチャンスをつかみ、それをうまくものにしたということですね。
ミュシャ展にはこれに加えてハムレット、ロレンザッチオ、メディア、トスカが展示されていました。
スラヴ叙事詩
その後数々の名作を残してきたミュシャですが、新たな思いが芽生えます。それは自分の民族のために何かしたいというものです。ミュシャは故郷チェコや自身のルーツであるスラヴ民族をテーマにした作品を作ることでスラヴ民族の素晴らしさを説こうとします。スラブ民族はオーストリアなどの列強といった他国に支配される悲しみを背負ってきました。そのスラヴ民俗の威厳を取り戻すためにスラヴ叙事詩の制作に取り掛かります。
ミュシャの言葉に以下のものがあります。
私は、チェコスロバキア国民とすべてのスラブ民族が、ただちに自らの弱さと不完全さを忘れ去ることを願い、そして、スラブ民族の発展に寄与するため、全世界の他の民族と同等の地位を得ることを願う
私たちは、互いによく知り合い、歩み合えるという希望を常に抱かなければならない。
展示会
こう調べてみるとこの展示会の思いというか覚悟が感じられる気がします。展示会って絵自体を楽しむのももちろんいいですが、背景を知るとより感慨深いものになると思いますね。
であまり展示会のこと話してなかったので感想を。
まずは黄道十二宮。これ見たとき本当に痺れました。デザインカッコよすぎる。
スラヴ叙事詩は文句なしの圧巻の一言。8m×6m?だったかな、壁一面の絵は衝撃的。
あえて写真は載せません。なんか展示会の前情報ってその人の背景とかだけでよくて、絵は最低限がいいのかなって。見てしまうとそこで勝手な想像が始まってしまうというか。その場で味わってほしいというか。まあこれ展示会に限らないんですけど、それ目当てできたけど案外それ以外のところが良かったみたいな経験あると思うんですよね。だから僕の情報でそれを阻害したくないというか。何言ってんだろ。ジスモンダ載せてんじゃねーか。
まあとにかくミュシャ展オススメですよ、という話。でした。